インバータ変更による漏洩電流・高調波ノイズ対策の実績 | 事例紹介
導入事例・実績

インバータ変更による漏洩電流・高調波ノイズ対策

〜欧州仕様から国産インバータへのリプレイスで、漏洩電流を約80%低減〜

「漏電ブレーカーがいつ落ちるか分からない」「原因不明の漏電電流に悩まされている」

こうしたお悩みに対し、当社は高度な測定器を用いて漏電の「真の原因」を特定し、最適な対策をご提案しています。今回は、設備のインバータ仕様を見直すことで、安全性を劇的に向上させた改善実績をご紹介します。

1. お客様の課題と現場の状況

  • 対象設備: 三相3線式 200V 回路(50Hz)
  • 現場状況: 漏電監視において、高調波を含んだ漏洩電流(Iom)が 700mA超 という極めて高い数値を記録。いつ設備が異常停止してもおかしくない危険な状態でした。
  • 原因分析: 現場では「欧州仕様のインバータ」が使用されていました。欧州仕様のノイズフィルターは、各相の対地電圧が平衡している環境を前提に設計されています。しかし、日本の一般的な「三相3線式 S相接地」環境にそのまま導入すると、非対称な電圧環境により、フィルター内のコンデンサを通じて大量の高調波ノイズや容量性電流がアース(接地線)へ漏れ出てしまうことが判明しました。

2. 当社が実施した対策

日本の電源環境(S相接地)に最適化された「国産インバータ」へのリプレイス(交換)を実施しました。(※ あくまでもお客様・商社・メーカーの了承のもとで作業を行います。)交換前後に、高性能クランプ式漏電監視ロガーを用いて、電気の質(ベクトル・電流成分)を精密に測定・比較しました。

3. 改善効果(ビフォー・アフター)

国産インバータへの変更により、高調波を含んだ漏洩電流の全体値(Iom1)は約80%も減少し、劇的なノイズカットに成功しました。

■ 測定数値の比較

測定項目(チャンネル1) 対策前(欧州仕様) 対策後(国産仕様) 改善効果
漏洩電流実効値(Iom1)
※高調波・ノイズを含む全体値
731.1 mA 143.7 mA 約80%低減!
基本波 漏洩電流(Io1)
※50Hz成分のみの値
403.8 mA 96.7 mA 大幅低減
対地抵抗成分漏洩電流(Ior1)
※火災リスクのある真の漏電
285.7 mA 109.5 mA 改善傾向(抵抗性の漏電要素については別途調査が必要)
基準電圧(V)/ 周波数(f) 205.1 V / 50.0 Hz 209.4 V / 50.0 Hz 電源の安定化

■ 実際のロガー画面比較(測定値)

【対策前】測定画面

対策前の測定画面

高調波を含むIom1が731.1mAと非常に高い値を示しています。

【対策後】測定画面

対策後の測定画面

Iom1が143.7mAまで激減。不要なノイズが綺麗にカットされました。(ただし、抵抗性の漏電成分(真の漏電)の別途調査が必要です)

■ 実際のロガー画面比較(ベクトル図)

【対策前】ベクトル表示

対策前のベクトル表示

日本の三相3線式(S相接地)における本来の正常な位相角の範囲は「+60°〜 +180°」です 。対策前の +37.4° はこの範囲を逸脱しており、欧州仕様インバータのノイズフィルターが持つ過大な対地容量成分(Ioc)によって、回路全体の位相が異常に歪んでいたことを物語っています。

【対策後】ベクトル表示

対策後のベクトル表示

国産インバータへの変更後は、位相角が +73.4°へと移動し、日本の電源環境における正常範囲内(+60°〜 +180°)に収束しました 。

4. 当社の強み(まとめ)

インバータやパワーコンディショナなどの機器は、「どこの国の仕様か」「現場の接地方式と合っているか」によって、気づかないうちに大量のノイズ(見かけの漏電)を発生させることがあります。

当社は、単に「漏電しているから絶縁が悪い」と決めつけるのではなく、Iom(全体値)とIor(本物の漏電)を電気的に切り分けられる特殊なロガーを駆使し、データに基づいた無駄のないピンポイント対策をご提案します。

輸入機械導入前のお悩み、輸入機械導入後のトラブル、原因不明の漏電などでお困りの方は、
ぜひ一度当社にご相談ください!

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